おだやかな暮らし

日々の備忘録。

子どもを授かるまでのこと

私たち夫婦は、約3年半の不妊治療を経て昨年初めて妊娠をし今に至ります。

途中、妊娠4ヶ月目と8ヶ月目に出血がありヒヤリとはしたものの、お腹のなかの子はすくすくと大きくなってくれて、もうすぐで臨月。一生懸命お腹にしがみついてくれているんだなぁと感謝の毎日です。ここまで来る道のりは長かったなぁ…。

不妊治療初期は、まだ年齢的にも切羽詰まっていないとタイミング治療から。翌年から人工授精、体外受精へと治療のグレードを上げ、3回目の採卵をしたその翌月、子宮を休ませるために何も治療をしないと決めたその月に幸運にも自然妊娠をしたのでした。

本当はその月に早速凍結胚盤胞を移植したいと希望をしていたのですが、なかなか生理がやって来ず…。もともと私は、20代前半からストレス性のホルモンバランスの乱れによる生理不順と言われ続けてよく婦人科に通院していたので、まーた周期が乱れてしまったかとため息をつきながら通院の予約を取ったのです。

そして先生に「妊娠している可能性はある?」と聞かれ、完全にお休み月と決めていたので、まったく排卵日など意識せずに生活していた私は「いや、ゼロではないですが狙ってどうこうということは…」とまさかという思いで返答し、「とりあえず妊娠検査しましょう」と言われるがままに検査をしてその場で妊娠が発覚したのです。

先生「妊娠してるよ。」

私「え?!? えーっつ!!!?? 本当ですかっっ!? いや、まさか。。。」

先生「本当だよー。ほら。(結果用紙差し出す)」

私「…。(こんな展開って)」

先生「(カレンダーを見ながら)いつした?排卵日特定したいんだけれど。」

私「いや〜…いつだったろ。。本当に全く狙ってなくて、記憶が。。時間ください。」

…お付き合い期間もいれると夫とは約10年の仲。それまで自然でも、人工受精でも、体外受精でも一度も妊娠することなく、最初はいつかは妊娠するさと通院していたものの、治療2年目の後半あたりから実を結ばないことや出口の見えない治療に心が折れ、ひどく焦って落ち込むようになり、考えないようにしようと仕事に打ち込んだり、酒を煽り(←オイオイ)服を衝動買いしてみたり、ヨガに行きまくったり、夫とちょっと贅沢な旅行したり食事へ出かけたり。。

時々一人かくれて大泣きしたり、実家の母に涙ながらに電話をしたりしたこともあります。「夫婦ふたりでも、このまま仲良く楽しく人生送っていけるよね。でもまだ年齢的に子どもを諦めるのは早い…当分は心底諦めがつくまでこの過酷な治療を続けるんだな。。」とぼんやり思っていました。

今回の採卵で無事3つのそこそこ良好な胚盤胞が採れて、気合いを入れ直して治療にのぞもうと思っていた矢先の妊娠。こんな突然治療が終わってしまうとは喜ばしいやら、ちょっと淋しいやら(!?)妊娠してるって夫になんて伝えよう?帰り道、興奮しながら自転車をこぐ手が震えたのを覚えています。

「妊娠してるって言われた。」

家に帰って、ソファーで読書をしている夫に「ちょっと話してもいい?」と中断させて報告をしたときの彼の呆気にとられた顔と「うそぉ!?」という言葉は忘れられません。笑 後日先生が、採卵をすると子宮が刺激されてその後妊娠しやすくなることがあるとおっしゃっていました。

3年半共に治療を続けてきて、時々不安定な気持ちの私を彼なりに支えてくれて、私のしたいように治療を進めさせてくれた夫に本当に感謝しています。

「結婚して2年目。そろそろ子どもを考えるでしょう」なんて周囲をみたり周囲から言われたりしながらなんとなく背中を押され、私たちは不妊治療を始めました。確かに、いつか二人の子をもつということは夢でした。

不妊治療の最中、ある晩に夫がまだ帰ってきていない家でひとり、ふと考えました。「夫、自分の親、兄弟、夫の親、兄弟…それは私にとっての大事な家族。このまま年齢を命の順番だとすると、この先私はまず親たちと別れなければいけない。これは決して抗えないこと。だとすると私の残りの人生の中で、新しく慈しむ命を私自身で生むことはできないのかな。守りたいと思う家族を。尊い存在を。私を大事に育ててくれた両親のように。だから、私も親になって子どもを育てたいな。その子の成長を夫と一緒に見届けたいな。」

その時「あぁ、やっぱり私、子どもが欲しいんだな。」と強く思いました。そして、夫を「父」にしたい。彼は子どもが大、大、大好きっていうタイプではなけれど、長年一緒にいる私の直感で “この人は父親になるべき素晴らしい人” と思っていたし、彼も授かれるものなら授かりたいなと話していました。

言うまでもなく子育ては容易いものではないですね。少しは覚悟しています。自分自身も親の気も知らずたくさんわがままを言い、心配をかけてきたから。我慢弱い私でも、器用に立ち回れない私でもきっと大丈夫と強く言い聞かせて。私と最愛の夫との子ども。二人ならきっと育てて行けると信じて。

お互い特にマタニティーハイになることなく、淡々と出産までの毎日を送っていますが、夫のパパぶりが今から楽しみです。